【中受経験者が語る】進学校の生徒は選民思想の塊?エリート意識の闇

先日 Twitter のフォロワーさんから DM で
進学校の生徒は選民思想を持ちやすい傾向にありますか?
という質問を頂きました。

これは非常に重要な質問だと思います。
自分の子供が入学する学校が、偏差値が高いことを鼻にかけるエリート意識の塊みたいな人間ばかりだったら嫌ですよね。
自分の子供まで歪んだプライドを持ってしまいそうです。

とはいえ、「進学校の生徒は選民思想を持ちやすいですか?」とはなかなか聞きづらいものです。
そもそも聞いたとしても塾も学校も自分たちに都合の悪いことはなかなか言えないでしょう。

ということで今回は実際に中学受験を経験している僕が、「進学校の生徒は選民思想を持ちやすいのかどうか」を語っていきます。
記事の著者(家庭教師のレオン代表木村)の経歴
・2007年に中学受験を経験
・一浪を経て東京大学に進学
・現在家庭教師派遣サービス運営中

進学校の生徒に選民思想はあるのか

反感を持つ方もたくさんいそうですが、僕は「進学校の生徒は選民思想を持ちやすい」と思っています。
僕は自分の学校の他にも浪人時代の予備校や東大で、たくさんの進学校出身の人間と出会ってきました。
残念ながら、その中で以下のような発言をする人間もいたのが事実です。
選民思想が見え隠れする発言例
・「XX大学?F欄やんw」
・「インカレ女子は頭悪いから嫌い」
・「僕達は優れた研究をする能力があるから、嫌な仕事はしなくていいんだよ」(東大の先生)
これらの発言は「頭が良い自分達は優れた人間である」と心の底で思っているからこそ出てくるものだと思います。
当然、勉強ができるからといって優れた人間だとは限りません。

しかし残念ながら、それを理解できず傲慢になってしまった偏差値の高い人間にも僕は数多く出会ってきたのです。
ただしそれを露骨に態度に表して人に不快感を与える人間は全体としては少数派であることを付け加えておきます。
普通にめちゃくちゃいい人もたくさんいます。

ここでいう選民思想とは

進学校の生徒が選民思想を持ちやすい
という主張をより正確に表現すると
進学校の生徒は人間の価値を測る時に偏差値を重視しがち
という風に言い換えることができます。

進学校に限らず、中学生や高校生という時期は自分を他人と比較してしまいがちです。
大人になってしまえばどうでもいいモノサシで他人を評価してしまったりもします。
例えば、
・あの子は自分より顔が可愛いけど、あの子はブス
・あいつは社交的で友人も多いけど、あいつは根暗ぼっち
・あいつはバスケ部でキャプテンをやってるけど、あいつは帰宅部オタク
などなど、思春期のジトーっとした嫌な空気がどの学校にも多少はあると思います。

一時期「スクールカースト」という言葉が話題になりましたが
・容姿
・社交性
・運動能力
・学力
などの指標で人間の価値を判断しようとする生徒はどこにでもいます。
進学校の場合ではこの指標として「学力」が大きな存在感を持っているというのが より正確な言い方です。

要するに、 誰でもある程度の選民思想は持っていて、一般的には見た目や経済状況や社交性などで他人にレッテルを貼っているが、進学校の場合は「学力」を重視する傾向が強い というだけのことかもしれません。

かくいう僕も調子に乗ってた時期あり

ここまで自分が第三者であるかのように語ってきましたが、それはフェアではない気がするので告白します。

選民思想とまではいかないと思いますが、僕も自分の学力に傲っていた時期がありました。

東京大学に合格した直後の自分は、今考えても恥ずかしいです。
東大の1年生は全員、渋谷の近くの駒場キャンパスに通います。
多くの生徒が京王井の頭線の駒場東大前駅を利用するのですが、僕もそうでした。

正直に言うと1年生の初期は、駒場東大前駅に着く度にドヤる気持ちがあったんです。
朝、乗っている電車が駒場東大前駅に到着する度に「あ、降りまーすw」と小声で周りの乗客にアピって降りて行く感じです。
「すいません!僕東大生なのでこの駅で降りるんです!」と心の中で叫んでいる感じと言えばいいでしょうか。
今考えても恥ずかしいですね(というか自意識過剰ですね)。

ちなみに僕の場合は幸いに、ゆがんだプライドを持っている時期は短く済みました。
その後何となく始めたコンビニのバイトで仕事を全く覚えられなかったことから
あれ、俺ってもしかして無能なのでは?
という疑惑が生じ始め、その後の様々な経験で紛い物の自信は完全に打ち砕かれたのです。
脱線しすぎるので今回は深堀しませんが、いずれ このブログや YouTube で語っていきたいエピソードがたくさんあります。

医学部の選民思想

特に僕が感じたのは医学系に進学する生徒はエリート意識が強い傾向にあるなということです。
「偏差値が高いことに対するこだわり」というよりは「医学に携わる人間であることに対するこだわり」といった感じでしょうか。

そもそも彼らは 先祖代々医者もやっているから自分も絶対に親の病院を継がなければならない という意識で勉強していることも多いです。
先祖伝来の「医者は絶対正義」という価値観に染まってしまっている生徒もいるんですよね。

大学入学後も「どこの大学なんですか?」と聞かれた時に「XX大学医学部です」と医学部である(=他の学部ではない)ことを強調する人も多かったです。

実は僕も併願で防衛医大に合格しているので分かるのですが、医学部受験は本当に厳しいです。
そもそもの試験の難易度が高い(偏差値70は当たり前)ことに加えて、多浪生も多く、さらには昨今の大学側の入試の不正も相まって非常に息苦しい空気が渦巻いています。

そんな過酷な競争を突破するために、受験生側は選民思想のようなエリート意識をも勉強に向かうエンジンとして利用している節があります。

僕も受験産業に携わる一員として、こういった状況は少しでも変えていきたいところだと考えています。

進学校でないからこそ芽生える選民思想もある

気をつけなければいけないのは、進学校に通っていない生徒こそ偏差値による選民思想を持ってしまう場合があるということです。

大学の話になりますが、いわゆる無名大学に通っていることをコンプレックスに感じてしまった学生が、やたらと東大を崇拝しているケースもありました。
東大生?めっちゃ凄いですね!!自分はXX大学なんで恥ずかしいです……
という感じの反応をやたらとする人たちですね。

この場合とて、自分を持ち上げてこそいませんが、特定の人間のグループを他のグループよりも特別視しているという意味では立派な選民思想だと思います。

我が子も選民思想に染まるのか

ここまでゴチャゴチャと述べてきましたが、親御さんが一番気になるのは 「進学校に入れると自分の子供も選民思想に染まってしまうのか」 という点だと思います。

しかし、これは Twitter で質問してくれた方にも言ったのですが ご両親がそういう心配をしている時点で、お子さんは健やかに成長する可能性が高い というのが僕の結論です。

確かに中高一貫ならば、多感な時期を6年間同じ環境で過ごすことになります。
その学校のカラーは少なからず、お子さんの人格に影響を与えることでしょう。

しかし、それでも親が子に与える影響に比べると学校の影響は微々たるものです。
子供が生まれた時から一番多くの時間を一緒に過ごしてきたのは、他でもない親であるわけです。

親御さんはめちゃめちゃ良い人なのに、子供はひねくれまくったプライドの塊 というケースを僕はまだ見た事がありません。

ご両親が「自分の子供が選民思想に染まらないか心配」と感じている時点で、ご両親が選民思想的なものに染まっていないのは確定しており、したがって子供もそうなら確率が高い と考えます。
安心してください。

子供が進学校でも健やかに育つヒント

そうは言っても心配だという方向けに、一つアドバイスをするなら 進学校に入った後もたくさんの人と触れ合う機会を提供してあげてください ということになります。

別に進学校に入ったからといって学校の外の人間と関わってはいけないという決まりはありません。
地域のボランティアや習い事などで学校の外の世界と触れ合おうと思えば、いくらでもできます。

また、海外研修などを通じて生徒に色々な人と交流する機会を提供しようとしている学校もあります。
色々な人に揉まれていくうちに、勉強だけが全てではないということに子供はすぐに気が付いて行くと思います。
(実際僕自身、自分が大した人間ではないと自覚できたのもアルバイトでの挫折経験がキッカケですしね笑)

ということで今回は、以上になります。
少しでも参考になったのであれば幸いです。



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