高校で物理を勉強し始めたが、どうやって勉強すべきか分からない

受験生なのに物理の偏差値が55以下
物理は理系科目の中でもセンスが問われるというイメージがあります。
実際に物理は得意な人は短い時間の勉強で高得点を取っていく一方、苦手な人は勉強しても全く点数が取れなかったりします。
「自分は物理のセンスがないからやっても無駄なんじゃないか」と不安になっている人も多いかもしれません。
しかし、実際には理解すべきポイントをしっかり理解すれば、誰でも高得点がとれるようになるコスパのいい科目なのです。
これを書いている僕は、受験生時代に物理化学を選択していましたが無事に東京大学理科二類に合格することができました。
受験生時代の経験を踏まえて今回の記事では、物理の勉強において最も大切なことを解説します。
物理で最も大切なのは力学の運動方程式
結論から言います。受験物理でとにかく大事なのは、いかなる状況でも運動方程式を確実に立てられることです。
運動方程式とは
運動方程式は力学の概念です。ほとんどの人は、物理を習い始めた時にまずは力学から始めると思います。
それもそのはずで、力学は高校物理全体の基礎をなしています。
さらにその力学の中心にあるのが、運動方程式です。
運動方程式とは、物体の運動を表した数式で、かのニュートンが見出したものです。
F = ma
でお馴染みのアレですね。
運動方程式の例
少し具体的に運動方程式の説明を加えます。下の図のように何から物体にいろんな方向から力が加わっているとしましょう。
下の図の場合は、人の顔みたいな形の気色悪い物体を、左右から掃除機でものすごい吸引力で吸い上げている状況だと思ってください。
より正確に言うと質量 m kg の物体を右から50 N(ニュートン)の力でひっぱり、左から10 Nの力で引っ張っている状態です。
右からの方が強く引っ張っているので、このままだと、この顔みたいな物体は右にどんどん引っ張られていくのが直感的にもわかると思います。
このケースの場合は、物体はただ右に動くだけでなく、どんどん右に向かって加速していきます。
その様子を数式で表したのが運動方程式です。
この場合の運動方程式は右への加速度をaとすると
50 – 10 = ma
となります。
つまりこの物体の質量が m = 10(kg) なら、 a = 4 (m/s**2) なのでこの物体は右に毎秒4 (m/s)だけ加速していくということです。
運動方程式についてもっと詳しく押さえておきたいという方は、
下の動画も参考にしてみて下さい。
運動方程式が大切な理由
さてこの運動方程式がなぜ受験においてにおいて超重要なのかを見ておきましょう。出題頻度が高い
何よりもまず、運動方程式を使う問題が試験にめちゃくちゃ良く出ることが理由です。例えばセンター試験の物理基礎や物理でも力学はほぼ必ずと言っていいほど出ます。
また東大をはじめとする各大学の2次試験でも物理においては力学は最頻出分野です。
そして力学の問題を解くためには、必ずこの運動方程式を立てる必要が出てきます。
イメージ的には運動方程式が正確に立てられるかどうかで、物理の2割3割くらいの点数が左右されると言ってもあまり間違いはないでしょう。
物理の基礎的な動きをマスターできる
単に力学が試験で出やすいから運動方程式が重要だというだけではありません。運動方程式を立てることができるようになれば、力学以外の問題の解き方もすぐにマスターできるようになります。
というのも、結局高校物理というのは
①問題文の設定を理解して
②書かれている現象を数式に落とし込み
③その数式を解く
という三つのプロセスでできています。②書かれている現象を数式に落とし込み
③その数式を解く
運動方程式をしっかり立てる訓練を積むことで②の部分の「現象を数式に落とし込む力」をマスターすることができるのです。
運動方程式をマスターするまで他は何もやらなくても良いレベル
こういった理由から、現時点で物理に苦手意識があるのであれば、まずは運動方程式を確実にマスターすることを推奨します。極端に言えば、運動方程式を立てられるようになるまでは、物理において他の何もしなくてもいいレベルです。
と言うか、初歩的な運動方程式が立てられないレベルで応用問題を解こうとしても全くの無駄です。
まずは基礎の基礎として運動方程式を集中的にマスターしましょう。
おすすめ参考書〜物理のエッセンス〜
最後にお勧めの参考書をあげておきます。 受験生の皆さんにはもはや説明不要かもしれませんが物理のエッセンスは良著です。物理を初めて学び始める初心者でも十分使えるにもかかわらず、これ一冊で東大の問題に対応することも不可能ではないという素晴らしい書籍です。
実際に私も受験生の時は、この物理のエッセンスを使用して物理を勉強していました。
『物理のエッセンス』は力学・波動編と熱・電磁気・原子編の2冊に分かれています。
今現在物理が相当得意でないならば(目安として偏差値65以下)、まずは力学・波動編の特に力学分野だけを集中にやりこむことをお勧めします。
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