計算問題は解けているのに文章問題になるとミスが多い
算数・数学が苦手な子にとってはまず計算問題を確実に解くことが最初のハードルですが、その次のレベルに達すると文章問題が壁となって現れます。
文章問題には単純に難しい問題が多いわけですが、それだけではありません。
実力的に普段は解けるはずの問題でも、実力テストになると途端に文章問題のミスが増えるということも起こります。
今回は文章問題のミスを減らす方法についてお伝えします。
文章問題でミスをする原因
そもそもなぜ文章問題は難しいのでしょうか。結論から言うと、問題に書いてあることを算数の式に変換しなければならないからです。
計算問題では
計算 → 答え
と言うプロセスで得点ができていました。
しかし文章問題の場合は
文章読み取り→式に変換→計算→答え
と、やらなければいけないことが増えます。
仮に
計算→答え
の正解率が100%だったとしても、もし・文章を正確に読み取れる確率が90%
・読み取った文章を正確に式に変換する確率が90%
だったとすれば最終的な正解率は81%にまで落ちてしまいます。
・文章を正確に読み取る
・読み取った文章を式に変換する
この二つをできるようにすることで文章問題も計算問題と同じように正解することができます。
・読み取った文章を式に変換する
図を描いて整理する
読み取り精度と式変換精度を上げるために手っ取り早いのが問題文の状況を図に書くことです。たとえばこんな問題があったとしましょう。
実際の小学3年生の問題を少し変換したものです。
長さ12.6mのヒモがあります。この問題は塾で図をかくようにことさら強調されるタイプの問題ではないかもしれません。
太郎くんはこのヒモから3.7 m切り取りました。
次郎君は残ったヒモから、太郎君よりも0.4m多く切り取りました。
切り取ったあとに残ったヒモは何メートルですか。
実際に結構な数の小学生が図なしでも解くことができるでしょう。
この問題は難しいというより、ややこしいタイプの問題です。
状況が少しゴチャゴチャしているので、試験本番で焦っていると、間違って次郎くんが切り取った長さを答えてしまったりしがちです。
そこで、メモ代わりに下のような図を描きながらすすめましょう。
ショボい図ですが、これを描くだけで問題の見通しが良くなり正解率がグッと上がるのです。
(マウスで描いたので図が見にくくて申し訳ないです。)
このように初めは数字すらも書き込まず、問題文中でどういうことが起きているのかを把握するようにします。
次に初めの紐の長さや、太郎くんと次郎くんが切り取った紐の長さを考えていきます。
・全体の長さ
・それぞれの登場人物が切り取った紐の長さ
を記入しました。 ・それぞれの登場人物が切り取った紐の長さ
求めたい部分は全体から太郎の分と次郎の分を引けばいいことは図からも明らかですね。
答えは
12.6 – 3.7 -4.1 = 4.8 (m)
となるわけです。
この問題は文章自体がそこまで複雑ではありませんでした。
しかしこれが複雑な文章題になった時に図を書くことが大きな助けになるのです。
是非簡単な問題の内からどんどん図をかく癖をつけておきましょう。
なお問題文を整理するのによく使う図は線分図(テープ図)や関係図が代表的です。
特に線分図をよく使います。
線分図(テープ図)
線分図とはさきほどの例題に使ったタイプの図です。和や差を考える問題の時によく使う傾向にあります。
先程のように全体の状況整理に威力を発揮する、すごいやつです。
めちゃくちゃ使用頻度が高いので絶対に使いこなせるようにしておいてください。
関係図
関係図は線分図とは異なり、XXがOOの3倍で〜のような掛け算、割り算が絡む状況整理に使うことが多いです。具体的にはこんな感じの図ですね。
出典
ただし、関係図はテープ図と比べるとやや影が薄いかもしれません。
例えば掛け算が絡むと言っても、
「りんごが10個ありみかんはりんごの4倍あります。全部で果物は何個あるでしょう」
のような問題だと普通に線分図っぽい図を書いておけば解決しますからね。
他にも、自分で勝手に図を描いてみる
ここではテープ図や関係図というものを紹介しましたが、図をかくに当たっては別に形式にこだわる必要は全くありません。問題文を分かりやすくするために必要なものなら何だって書いてしまえばいいのです。
簡単な図をささっと書くのは本当に時間がかかりませんし、描いたもん勝ちです。
また、楽勝な問題は暗算で解いておくが、見直しの時に一応図をかいて確認してみるという使い方もできます。
是非息をするように図をかけるようになっておきましょう。