個別指導が失敗する原因は「生徒が自分で考えない」から。対策を解説

マンツーマンの教育サービスに関する悩み
・個別指導塾に子供を通わせているけど成績が伸びていない
・家庭教師をつけて成績が上がるのかが不安
・自分で子供を教えているけど、実力がついてない気がする
こういった不安を持つ保護者の方向けにこの記事を書いていきます。

個別指導は、集団塾に比べて学習内容を生徒に合わせてカスタマイズできるという大きなメリットがあります。
しかし一方で個別ならではのデメリットもあるのです。
それは「生徒が自分で問題も考えなくなる」というものです。

これを知らないと せっかく個別指導塾に通わせたり家庭教師をつけたりしているのに成績が全く伸びない という失敗に陥ります。
そこで今回の記事では
・個別指導の現場で何故子供が自分で考えることを放棄してしまうのか
・生徒に自分で考えさせるためにはどうすればいいのか
を解説します。

個別指導塾や家庭教師の思わぬデメリット

個別指導塾や家庭教師などの一対一の指導形態の大きなデメリットは 子供が自分で問題を考えるのを放棄しがち ということです。

一見、集団塾よりも一対一の指導の方が先生の監視が行き届いている分、子供がサボりにくいように思えます。
確かに一対一の指導では子供が隠れて漫画を読んだりスマホを触ったりといった、あからさまなサボりは基本的に起きません。

しかし一見勉強しているように見えても、実はサボっている「隠れサボり」が起きやすいのが個別指導のデメリットなのです。
具体的に言うと、生徒が先生にわからない問題を全て丸投げする状態がこの「隠れサボり」にあたります。

私自身個別指導塾で小学生から高校生までを教えた経験がありますが、この「隠れサボり」状態に陥っている生徒をたくさん見てきました。
先生この問題がわからないです
とまず彼らは言ってきます。 ここで
この問題かー。まず自分ではどう考えた?
と聞くと
色々考えようとしたんですけど、よくわからなかったです
という曖昧な返事が返ってきます。
そこでヒントを与えようと
ベクトルの問題で大事だったのは、一次独立なベクトルで注目しているベクトルを表現することだったよね?
といった感じで、手を差し伸べます。 すると、
あ、そうでしたね!で、どうします?
といった返答。
この場合求めたいのは、このベクトルだよね?だからこのベクトルをこれとこれの線形結合で表現すればいいよね!
と返すと
とりあえずこの紙に書いてもらっていいですか?
というので紙に書いてみると
ついでにこれ計算していくとどんな感じになります?
とさらに質問が来るので、それもこちらで対応すると
これが答えなんですね!ありがとうございました!
といった感じで「指導」が終了します。

こうして、いつのまにか生徒の宿題を先生が代行しているという状態になっているのが悪い個別指導の例です。

ここまで露骨に先生を誘導してくる生徒はさすがに稀ですが、モチベーションがあまり高くない生徒は大なり小なり
先生に問題を解いてもらおう
という意識になりがちです。

自分で手を動かさないと成績は上がらない

当然のことながら、自分の頭で考えて自分の手で問題を解かないと学力は上がりません。
先ほどの悪い個別指導の例のような状態を続けていても、偏差値が上がる見込みは全くないと言っていいでしょう。

確かに、時には全く歯が立たない問題にぶつかり、先生に答えを教えてもらう必要も出てくるかもしれません。
それでも授業の時に、1回は自分で考える必要がありますし、まずは自分で手を動かしてみるべきです。
自分で教科書を読み直して、調べながら問題を解いたっていいのです。

こういう訳で、
生徒が黙々と問題を解いて、先生の役割は間違った理解をしていないかどうかをチェックするだけ
といったライトな関係の方が生徒の偏差値がガッツリ上がったりします。

関連記事)偏差値が高い生徒は何故質問をしないのか。偏差値向上のヒント

個別指導で生徒に自力で考えてもらう方法

次に、個別指導の場で、生徒に自分で考える習慣をつけてもらう為に当会(家庭教師のレオン)が行なっている工夫を解説します。

まずは一回自力で解いてもらうことを徹底

これは基本中の基本ですが、まずは一度自力で考えてもらうことを徹底します。

先生この問題をどう解くんですか?

と聞かれた時は、取り敢えず1回
○○さんはどう考えた?
と考えさせる時間を作ります。

先生に丸投げする癖がついていない生徒の場合は、これだけでも大分自主的に考える癖がついてきます。

一度生徒に自分の考えを説明してもらうことで、その場で理解が深まるという副次効果もあります。
本当に理解していないところは他人にうまく説明できませんから、自分がつまずいている場所がより明確になります。
さらに、「説明する」というアウトプットの行為によって記憶も定着します。

当会では、日報のテンプレを工夫しています

当会独自の取り組みとしては、日報のテンプレートを工夫しています。
家庭教師のレオンでは他の個別指導サービスと同じように、毎回の授業終わりに保護者さん向けにその日の日報を書いてもらっています。
・今日授業でやった範囲はXXです
・生徒さんの理解度はXXでした
・宿題はXXです
といった通常の内容の他に、
・生徒さんが自力で解いた問題はおよそXX問です
・教師が教えて解いた問題はおよそXX問です
という項目が存在します。

この項目が入っている目的の一つは、担当する教師の意識を改革する事です。
教師も日々生徒さんと接していく中で、仲が良くなるあまり友達のような関係になってしまうこともあります。
そうなると、生徒さんが自分で考えるべき問題をついつい教師が解いてしまうことが起こりやすくなります。

先生と生徒の距離感が近づくことにはメリットもあるのですが、生徒が解くべき問題を先生が解いてはいけません。
そこで毎回の日報で、教師に生徒さんが自力で解いた問題の数を報告してもらうことで、指導開始から時間が経っても

「生徒に自分で考えてもらわなきゃダメだ」

という意識を忘れないようにしてもらっています。
当会事務局は、派遣する教師の意識を変えることで、結果的に生徒さんの主体性を伸ばせる仕組み作りに取り組んでいます。

先生との信頼関係があることが前提

繰り返しになりますが、成績を上げるためには生徒が自分で考えなければいけません。
とはいっても ただ単に生徒に「自分で考えろ」と言って突き放せばいいわけではありません。
今現在お子さんが通っている個別指導塾がこのように指導放棄に陥っていないかも注意する必要があります。
・生徒がどこで躓いているのか
・理解する為には何が足りないのか
を生徒の様子から理解しようとする姿勢が教師に求められます。

そしてそういった情報を生徒が発してくれるようになるには、先生への信頼が必要不可欠なのです。

僕も学生の時に身を持って経験したのですが「どうせまた答えを聞きに来たんだろう?」という態度で接してくる先生には逆にこっちも何も教わりたくありませんでした。

先生とのコミュニケーションが円滑にする当会の工夫

先生と生徒が信頼関係を円滑に気づくための工夫はいろいろあります。

一つ例を挙げると、当会では先生のことを生徒さんに良く知ってもらうべく、お子さんの学年等によって先生のプロフィールカードをお渡しすることがあります。

これは、
・先生自身の受験時代の思い出
・先生の趣味
・はまってる YouTuber
・好きな芸能人
などが書いてあるごく簡単な資料です。

子供の時に、(特に女子は)色々な個人的な質問が乗ってるちっちゃな紙をお互いに交換しあって楽しんでいましたよね(僕の年齢がバレそうですね笑)。
あんな感じです。

初めて接する先生であっても、好きな芸能人が同じだったりすると一気に親近感が湧きますよね。
まずはそこからコミュニケーションが始まり、そこから信頼関係にまで育てていきます。
以上に挙げたこと以外にもきっと生徒に主体的に勉強させるための工夫は存在していることでしょう。
やり方は塾によって様々です。

しかし、
「生徒に自分で考えさせるためにはどうすればいいのだろう?」
ということに意識が一切向いていない塾や家庭教師サービスには注意が必要です。

保護者の皆様にあたっては「生徒に自力で考えさせるための工夫」を全く考えていない個別指導サービスは選択しないことをお勧めします。

【まとめ】隠れサボりが起きない塾を選ぶべし

最後にまとめです。
家庭教師や個別指導塾などの一対一の指導が失敗する原因で多いのが
・生徒が先生に問題を丸投げして自分で考えない
ことです。
個別指導塾や家庭教師を検討する時は、
生徒の「隠れサボり」を防ぐためにどういう工夫がされているか
に注目するといいでしょう。

「ロバを水飲み場に連れて行くことはできても、水を飲ませることはできない」
という諺があるように生徒に自分で考えさせるのは難しいことです。
それでも今回紹介した例のように、我々大人にできる工夫も確かにあります。

裏方として、あるいは現場で教える教員として生徒に最大限考えてもらうよう全力を尽くすのが教育サービスの役割だと考えます。

なお、今回の記事を読んで当会に少しでも興味をもっていただいた方は、是非気軽にお問い合わせしてみてください。

家庭教師のレオン(お問い合わせ窓口)

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